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農業の事業計画の作り方|経営改善・資金繰り・投資判断を農業コンサルが解説

 

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補助金のためではなく、次の経営判断のために

事業拡大や経営再建を成功させるためには、現状を正しく分析し、将来のビジョンに向けた道筋を示す具体的な計画が不可欠です。しかし、日々の業務に追われる中で自社のリソースだけで十分なノウハウを確保し、実効性のある計画をまとめることは容易ではありません。

本記事では、専門的な知見を持つ農業コンサルと伴走して作る事業計画の策定手順を解説します。まずは自社の現状と課題を可視化し、経営ビジョンを具現化するためのステップを一つずつ確認していくことが重要です。

あわせて、持続可能な農業経営を実現するために欠かせない資金繰りの考え方や、生産体制の構築方法についても触れていきます。さらに、計画の実行可能性を高める手段として、適切な補助金の選定と活用方法も紹介します。

外部の専門家のサポートを上手に活用しながら、ノウハウ不足を補い、長期的に安定した農業ビジネスを築くためのヒントとして参考にしてください。

本記事の解説者:スマートアグリコンサルタンツ合同会社代表・渡邊智之について
 

本記事では、すでに農業を営み、事業拡大、経営改善、経営再建、設備投資などを検討している農業法人・農業経営者を中心に、実行可能な事業計画の作り方を解説します。

本記事を解説するのは、農林水産省でのスマート農業推進、農業法人の現場、ICTサービス開発、自治体・企業向け研修に携わってきた、スマートアグリコンサルタンツ合同会社代表・渡邊智之です。

執筆者:渡邊智之スマートアグリコンサルタンツ合同会社代表/CEO
農林水産省でスマート農業推進を担当。農業法人の現場、ICTサービス開発、自治体・企業支援に携わる。



農業の事業計画とは
 

農業の事業計画とは、経営者が目指す将来像を、販売、生産、人材、投資、資金、具体的な行動へ落とし込んだものです。

「売上を増やしたい」「規模を拡大したい」「スマート農業技術を導入したい」といった目標だけでは、現場で何を変えるべきか、どの程度の投資が必要か、誰がいつまでに実行するかを判断できません。

事業計画では、まず5年後、10年後にどのような農業経営を実現したいかを明確にします。そのうえで、現在の経営状況との差を整理し、将来像の実現に必要な取り組みを具体化します。

農業の事業計画では、主に次の内容を整理します。

  • 経営理念と将来のビジョン

  • 現在の売上、利益、資金、借入状況

  • 品目別、ほ場別、販売先別の収益性

  • 顧客、販路、販売価格、販売数量

  • 生産量、品質、作付け、出荷の計画

  • 必要な人員、役割分担、技術継承

  • 農地、施設、農業機械、スマート農業技術への投資

  • 運転資金と月別の資金繰り

  • 想定されるリスクと対応方針

  • 数値目標、実施時期、責任者

  • 計画を見直す条件と判断基準

 

農業経営では、生産量を増やせば、必ず利益も増えるとは限りません。

増産によって人件費や資材費、物流費が増える一方、販売先を確保できなければ、在庫や廃棄が発生する可能性があります。

そのため、「何をどの程度作るか」だけでなく、「誰に、何を、どの価格で、どの程度販売するか」を明確にし、販売計画から生産計画、設備、人員、資金を逆算することが重要です。

●事業計画は経営判断の基準になる
 

事業計画は、金融機関や行政機関へ提出するためだけに作成するものではありません。

農業経営では、設備を更新するか、人を採用するか、品目を増やすか、農地を拡大するか、スマート農業技術を導入するかなど、さまざまな判断が必要になります。

経営ビジョンや数値目標が明確になっていなければ、目の前の課題や補助制度、技術事業者からの提案に影響され、投資の優先順位がぶれやすくなります。

事業計画には、例えば次のような判断基準を定めます。

  • どの経営課題を優先して解決するか

  • どの程度の効果を目指すか

  • いくらまで投資できるか

  • いつまでに投資を回収するか

  • 誰が実行と管理を担うか

  • どの数値を下回った場合に計画を見直すか

 

これらをあらかじめ整理しておくことで、個々の取り組みが自社の将来像につながるかを判断しやすくなります。

多機能な設備や最新のシステムであっても、経営課題の解決や収益性の向上につながらないのであれば、導入を延期したり、見送ったりすることも経営判断の一つです。

●事業計画と補助金申請書は異なる
 

事業計画と補助金申請書は、目的が異なります。

事業計画は、補助金の有無にかかわらず、自社が将来どのような農業経営を目指し、そのために何を実行するかを整理するものです。

一方、補助金申請書は、特定の支援制度の目的や公募要件に沿って、実施する事業、必要な経費、スケジュール、期待する効果などを説明するための書類です。

補助金の公募が始まってから対象となる設備や事業を考えるのではなく、まず自社の経営課題、将来の目標、必要な投資、期待する効果を事業計画として明確にします。

そのうえで、計画の実現に活用できる支援制度があるかを確認するという順番が重要です。

補助金を受けられることを理由に、本来必要のない設備や自社の規模に合わないシステムを導入すると、事業終了後の維持費や更新費、運用負担が経営を圧迫する可能性があります。

補助金は事業計画を実現するための資金調達手段の一つであり、補助金を獲得すること自体が目的ではありません。

実効性のある農業の事業計画を作る7つの手順
 

農業の事業計画を作る際は、売上目標や設備投資額を記載するだけでは十分ではありません。

経営者が目指す将来像を明確にし、現在の経営状況、顧客と販路、生産体制、人材、資金などを関連づけながら、具体的な行動へ落とし込む必要があります。

また、農業は天候、生育、市場価格、資材価格などの影響を受けるため、計画どおりに進まなかった場合も想定しておくことが重要です。

書類とペン

ここでは、実行可能な農業の事業計画を作るための7つの手順を解説します。

1.経営理念と将来像を明確にする

事業計画の策定では、最初に5年後、10年後にどのような農業経営を実現したいかを明確にします。

将来像が曖昧なままでは、目の前にある補助制度や技術事業者からの提案に影響され、投資の優先順位がぶれやすくなります。

例えば、次のような内容を整理します。

  • 経営規模を拡大したいのか

  • 現在の規模を維持しながら収益性を高めたいのか

  • 収量を増やしたいのか

  • 品質や販売単価を高めたいのか

  • 作業負担を軽減したいのか

  • 後継者や従業員へ技術を継承したいのか

  • 誰に、どのような農産物を届けたいのか

  • 現在の経営で何を守り、何を変えたいのか

 

「売上を増やす」という目標だけでは、取るべき行動を判断できません。

売上を増やす方法には、生産量の拡大、販売単価の向上、新規販路の開拓、加工品の開発、廃棄の削減など、複数の選択肢があります。

経営理念や将来像を明確にすることで、自社が優先して取り組むべき課題や、投資すべき分野を判断しやすくなります。

2.現在の経営をデータで把握する

将来像を明確にした後は、現在の経営状況を客観的に把握します。

経営者の経験や感覚だけで判断するのではなく、財務、生産、販売、人材などのデータを確認し、将来像との間にどのような差があるかを整理します。

例えば、次のようなデータを確認します。

  • 品目別、商品別の売上

  • 販売先別の売上と利益

  • 品目別、ほ場別の収量

  • 品質や等級ごとの出荷割合

  • 作業別、ほ場別の作業時間

  • 従業員や作業者ごとの人件費

  • 種苗、肥料、農薬、資材の費用

  • 電気、燃料、通信、物流などの費用

  • 農業機械や施設の取得時期と更新予定

  • 借入金の残高、返済額、返済期間

  • 現預金と必要な運転資金

  • 人員構成、年齢、保有する技術

  • 後継者や管理者の育成状況

 

単に売上や利益を見るだけではなく、どの品目、ほ場、販売先が利益を生み、どこに時間や費用がかかっているかを確認することが重要です。

必要なデータが記録されていない場合は、事業計画の策定と並行して、今後どの情報をどのように記録するかも決めます。

3.顧客・販路・販売計画を作る

農業の事業計画は、生産計画だけでは成立しません。

農産物を生産できても、必要な価格と数量で販売できなければ、経営改善や事業拡大にはつながらないためです。

販売計画では、次の内容を整理します。

  • 誰を顧客とするのか

  • どの農産物や商品を販売するのか

  • どの価格で販売するのか

  • どの程度の数量を販売するのか

  • いつ、どの期間に出荷するのか

  • 品質、規格、包装にどのような条件があるか

  • 納品方法や物流費はどうするか

  • 現在の販売先との取引をどう拡大するか

  • 新たな販路をどのように開拓するか

  • 特定の販売先への依存度が高すぎないか

 

生産量を増やす場合は、増産分を誰が購入するのかを事前に確認します。

一つの販売先に依存している場合には、取引条件の変更や取引停止が経営へ与える影響も検討しなければなりません。

「作ってから売る」のではなく、顧客と販路の条件を確認し、その条件から品目、生産量、出荷時期を逆算することが重要です。

4.生産・人員・運営体制を設計する

販売計画をもとに、必要な生産量、農地、設備、人員などを具体化します。

生産計画では、目標とする収量だけでなく、その計画を現場で実行できる体制があるかを確認する必要があります。

例えば、次の内容を整理します。

  • 品目別、ほ場別の作付け計画

  • 収穫量、品質、出荷時期の目標

  • 必要な農地、施設、農業機械、資材

  • 設備の更新や新規導入の時期

  • 作業ごとの担当者と責任者

  • 繁忙期に必要な人数

  • パート、季節雇用、外国人材などの活用

  • 作業の外部委託や農業機械の共同利用

  • 作業標準やマニュアルの整備

  • 熟練者の技術や判断基準の継承

  • 地域の農業者、JA、取引先などとの連携

 

新しい設備やスマート農業技術を導入する場合は、導入する機能だけでなく、誰が操作し、誰がデータを確認し、どの判断に活用するかまで決めます。

設備を導入しても、現場で使える人材や運用ルールがなければ、期待する効果は得られません。

計画した生産量を実現するために、現場で無理のない体制になっているかを確認することが重要です。

5.収支計画と資金繰りを作る

生産・販売計画が整理できたら、売上、費用、利益、必要な資金を数値化します。

収支計画では、次の内容を確認します。

  • 品目別、販売先別の売上

  • 種苗、肥料、農薬、資材などの原価

  • 人件費、光熱費、燃料費、物流費

  • 修繕費、保守費、通信費

  • 減価償却費

  • 営業利益

  • 設備投資額

  • 借入金と返済額

  • 設備更新に必要な費用

  • 必要な運転資金

  • 投資回収までの期間

 

年間の利益が黒字であっても、途中で現金が不足すると事業を継続できません。

農業では、種苗や資材を購入してから、作付け、栽培、収穫、販売、入金までに時間がかかります。また、販売時期や入金条件によっては、売上が発生する時期と実際に現金が入る時期が一致しません。

そのため、年間の損益計画だけでなく、月別の資金繰り表を作成します。

どの月に支払いが集中するのか、売上が入るまでにどの程度の資金が必要かを確認し、自己資金、融資、補助金などの調達方法を検討します。

6.複数のシナリオと判断基準を作る

事業計画では、目標どおりに進んだ場合だけでなく、想定を下回った場合も検討します。

農業は自然条件や市場環境の影響を受けるため、一つの収量や販売価格だけを前提に計画を作ると、実際の結果との差が大きくなる可能性があります。

例えば、次のようなシナリオを作成します。

  • 計画どおりに進んだ標準ケース

  • 天候不順などで収量が減少したケース

  • 市場価格や販売価格が下落したケース

  • 肥料、燃料、電気代などが上昇したケース

  • 必要な人材を確保できなかったケース

  • 設備の導入や更新を延期したケース

  • 主要な販売先との取引が減少したケース

 

それぞれのケースで、売上、利益、資金繰りがどのように変化するかを確認します。

あわせて、次のような判断基準も事前に決めます。

  • どの条件を満たせば設備投資を行うか

  • どの数値を下回った場合に計画を見直すか

  • どの段階で追加の資金調達を行うか

  • どの品目や事業を縮小するか

  • どの条件で新規投資を延期するか

  • どの条件で事業から撤退するか

 

計画を変更することは失敗ではありません。

市場、現場、財務の状況を確認し、早い段階で計画を修正することも、経営者に必要な判断です。

7.KPIと実行管理の方法を決める

事業計画は、作成して完成するものではありません。

計画を実行し、目標と実績の差を確認しながら、必要な改善を行うための仕組みが必要です。

最初に、計画の進捗を確認するKPIを設定します。

農業経営で確認するKPIには、例えば次のものがあります。

  • 売上

  • 粗利益、営業利益

  • 10アール当たり収量である反収

  • 販売単価

  • 販売数量

  • 作業時間

  • 人件費

  • 資材費、光熱費

  • 廃棄率、規格外品率

  • 納品遵守率

  • 顧客数、継続取引先数

  • 新規販路数

  • 設備やシステムの利用率

  • 投資回収の進捗

  • 現預金残高

 

KPIは多ければよいわけではありません。経営目標との関係が明確で、現場で継続して確認できる項目を選びます。

また、月次、四半期、作期終了後など、数値を確認する時期と、確認・報告を担当する責任者を決めます。

目標と実績に差がある場合は、その原因が生産、販売、人員、設備、外部環境のどこにあるかを分析し、次の行動を決めます。

計画の進捗を関係者で共有し、改善を繰り返すことで、事業計画を実際の経営に役立つものにできます。

●事業計画は経営環境に合わせて更新する
 

 

事業計画は、金融機関や行政機関へ提出した時点で完成する書類ではありません。

天候、市場、資材価格、顧客ニーズ、人員などの状況は変化するため、当初の計画が現状に合わなくなることもあります。

重要なのは、最初に決めた計画を変更せずに実行することではなく、経営理念と将来像を軸に、現場と経営のデータを確認しながら、次に取るべき行動を判断することです。

将来像、現状、販売、生産、資金、リスク、KPIを関連づけて整理することで、実行可能性が高く、経営判断に活用できる事業計画になります。

事業計画を実行するための資金調達と投資判断
 

事業計画で目標や取り組みを定めても、必要な資金を適切な時期に確保できなければ、計画を実行に移すことはできません。

農業経営では、農業機械や施設の導入費だけでなく、種苗、肥料、農薬、人件費、燃料費、光熱費など、生産から販売・入金までの間に必要となる運転資金も確保する必要があります。

また、投資によって売上や利益が増えるまでに時間がかかる場合もあります。設備の購入価格だけで判断するのではなく、導入後の維持費、資金繰り、投資回収、現場での運用まで含めて検討することが重要です。

日本円と資金繰りを示す積み木

●必要な資金の金額と時期を明確にする
 

資金調達を検討する前に、事業計画の実行に「いくら必要か」だけでなく、「いつ必要か」を整理します。

例えば、次のような資金を分けて確認します。

  • 農業機械、施設、設備などの導入費

  • 農地や施設の整備費

  • 種苗、肥料、農薬、資材の購入費

  • 採用、教育、研修にかかる費用

  • システムの初期設定や導入支援費

  • 通信費、利用料、保守費などの継続費用

  • 作付けから販売・入金までの運転資金

  • 設備の修理や更新に備える資金

  • 計画どおりの収量や売上を確保できなかった場合の予備資金

 

年間の必要額だけではなく、月別の資金繰り表を作成し、支払いが集中する時期と売上が入金される時期を確認します。

年間では利益が出る計画でも、収穫や入金の前に現金が不足すれば、事業を継続できません。特に規模拡大や新規設備の導入時には、通常の運転資金を残したうえで投資できるかを確認する必要があります。

●資金調達の方法を組み合わせる
 

事業に必要な資金を、すべて自己資金だけで賄う必要はありません。一方で、借入金や補助金だけに依存した計画も、経営の自由度や継続性を損なう可能性があります。

主な資金調達方法には、次のようなものがあります。

  • 自己資金

  • 金融機関からの融資

  • 国や自治体などの補助金、助成制度

  • 農業機械や設備のリース、レンタル

  • 共同利用施設や作業受託サービスの活用

  • 取引先や連携事業者との共同投資

  • 既存設備の改修や中古設備の活用

 

それぞれの方法には、費用、返済、利用期間、所有権、申請手続きなどの違いがあります。

例えば、利用頻度が低い農業機械を購入すると、稼働していない期間にも減価償却費や保管費、維持費が発生します。購入だけを前提とせず、レンタル、共同利用、作業委託を比較することも重要です。

資金調達方法は一つに絞るのではなく、自己資金、融資、補助金、リースなどを組み合わせ、手元資金を過度に減らさない構成を検討します。

●投資額ではなく導入後の総費用を確認する
 

設備やスマート農業技術への投資では、購入価格だけで判断してはいけません。

導入後には、次のような費用が発生する可能性があります。

  • 月額、年額の利用料

  • 通信費

  • 保守、点検、修理費

  • 消耗品や交換部品の費用

  • 電気、燃料などの運用費

  • ソフトウェアの更新費

  • 操作研修や人材育成の費用

  • データ入力や確認にかかる人件費

  • 設備を更新、廃棄する際の費用

 

一方、投資によって得られる効果には、売上増加だけでなく、次のようなものがあります。

  • 作業時間や人件費の削減

  • 肥料、農薬、燃料などの使用量削減

  • 収量や品質の安定

  • ミス、手戻り、廃棄の削減

  • 販売単価の向上

  • 出荷量や販売機会の増加

  • 技術継承や人材育成

  • 経営判断の迅速化

 

費用対効果を確認する際は、初期費用と年間維持費に対して、どの効果によって、何年間で投資を回収するのかを整理します。

 

金額に換算しにくい効果についても、「作業時間を何時間削減する」「規格外品率を何%下げる」など、導入後に確認できる指標を設定することが重要です。

●一度にすべてを導入せず、段階的に投資する
 

事業計画に必要な設備や技術を、最初からすべて導入する必要はありません。

効果や現場での運用を事前に判断しにくい場合は、一部のほ場、品目、作業を対象に、小規模な導入や実証から始めます。

例えば、次のような段階に分けます。

  • レンタルや試用によって機能を確認する

  • 一部のほ場や作業へ限定して導入する

  • 現場の操作性や入力負荷を確認する

  • 導入前後の作業時間、コスト、収量、品質を比較する

  • 効果と運用体制を確認してから対象を拡大する

 

小さく始めることで、当初の想定と異なる場合にも、投資損失を抑えながら計画を修正できます。

実証の結果、十分な効果が得られなければ、運用方法を見直す、別の設備を比較する、導入時期を延期する、投資を見送るという判断も必要です。

●投資を実行する判断基準を決める
 

投資判断を担当者の期待や感覚だけに任せると、「最新の設備だから」「補助金を利用できるから」といった理由で、必要性の低い投資が行われる可能性があります。

事業計画では、投資を実行する条件を事前に決めます。

例えば、次のような基準を設定します。

  • 解決する経営課題が明確か

  • 顧客や販路の見通しがあるか

  • 導入によって改善する数値を設定できるか

  • 初期費用と維持費を負担できるか

  • 売上が想定を下回っても資金繰りを維持できるか

  • 投資回収までの期間が許容範囲内か

  • 操作や管理を担う人材を確保できるか

  • 既存の設備や業務と連携できるか

  • 導入後の効果を継続的に確認できるか

 

これらの条件を満たさない場合は、投資規模を縮小する、時期を延期する、別の方法を選ぶことも検討します。

補助金によって自己負担が減る場合でも、導入後の維持費や更新費、運用人員までなくなるわけではありません。補助金が採択されなかった場合でも実行する価値がある投資か、自社で継続して運用できるかを確認することが重要です。

●金融機関へ事業の根拠を説明できる状態をつくる
 

融資を受ける際には、資金の使い道だけでなく、投資によってどのように売上や利益を生み、どのように返済するのかを説明する必要があります。

そのためには、次の情報を事業計画として整理します。

  • 現在の経営状況と課題

  • 投資の目的

  • 投資する設備や取り組みの内容

  • 顧客、販路、販売計画

  • 生産量や売上の根拠

  • 初期費用と継続費用

  • 月別、複数年の資金繰り

  • 借入金の返済計画

  • 投資によって期待する効果

  • 想定を下回った場合の対応方針

 

過去の売上、収量、作業時間、経費などを品目別、ほ場別、販売先別に把握できれば、計画の根拠を説明しやすくなります。

単に「売上が増える予定」と説明するのではなく、どの販売先へ、どの商品を、どの価格と数量で販売するのかを示すことで、事業計画の実現可能性も伝わりやすくなります。

●資金調達は事業を継続するための手段
 

資金調達や設備投資は、事業を拡大すること自体が目的ではありません。

経営理念や将来像の実現に向けて、現在の経営課題を解決し、持続可能な収益を生み出すための手段です。

借りられる金額や補助される金額から投資規模を決めるのではなく、事業計画に必要な取り組みを整理し、自社が継続して運用・返済できる範囲で資金を調達します。

資金調達、投資、現場の運用、効果検証を一体として考え、必要に応じて投資の順序や規模を見直すことが、安定した農業経営につながります。

事業計画を実現する手段として補助金を活用する
 

補助金は、事業計画を実現するための資金調達手段の一つです。

設備投資やスマート農業技術の導入、人材育成、生産基盤の整備などに活用できる場合がありますが、補助金を受けること自体を目的にしてはいけません。

「補助対象になるから」という理由で、本来必要のない設備や自社の規模に合わないシステムを導入すると、事業終了後の維持費、更新費、運用負担などが経営を圧迫する可能性があります。

まず、自社の経営課題、将来の目標、必要な取り組み、期待する効果を事業計画として整理します。そのうえで、計画の実現に活用できる支援制度があるかを確認するという順番が重要です。

●1.事業計画に必要な投資を先に整理する
 

補助金を探す前に、事業計画を実行するために必要な投資を整理します。

例えば、次のような内容を確認します。

  • どの経営課題を解決したいのか

  • どのような将来像を実現したいのか

  • どの設備、施設、技術、人材が必要なのか

  • 投資によって、どの数値を改善するのか

  • 初期費用はいくらかかるのか

  • 導入後の維持費や更新費はいくらかかるのか

  • 誰が運用し、誰が効果を確認するのか

  • 補助金が採択されなかった場合はどうするのか

 

例えば、スマート農業技術を導入する場合は、「最新技術を導入する」という目的ではなく、作業時間を削減する、資材使用量を減らす、収量や品質を安定させる、人的ミスを防ぐなど、解決したい課題を明確にします。

必要な投資と期待する効果を先に整理することで、補助制度の名称や補助率だけに影響されず、自社の事業計画に合う制度かを判断しやすくなります。

●2.制度の目的と自社の事業計画が合っているか確認する
 

国や自治体などの支援制度には、それぞれ政策上の目的があります。

スマート農業の推進、経営発展、担い手育成、人材確保、環境負荷の低減、地域農業の維持、輸出促進など、制度によって支援する対象や目的は異なります。

補助金を活用する際は、自社が購入したい設備が対象になるかだけでなく、事業計画全体が制度の目的に合っているかを確認する必要があります。

主に次の内容を確認します。

  • 制度が目指している政策目的

  • 申請できる事業者の条件

  • 対象となる取り組み

  • 対象となる設備や経費

  • 補助率と補助上限額

  • 事業の実施期間

  • 求められる成果や数値目標

  • 事業終了後の報告や継続条件

 

同じ設備であっても、制度の目的や使い方によって、補助対象になる場合とならない場合があります。

また、設備費は対象でも、消費税、保守費、通信費、人件費、既存設備の更新費などが対象外となることもあります。購入を決定する前に、公募要領や交付要綱などで対象経費を確認することが重要です。

●3.自社が申請要件を満たしているか確認する
 

支援制度によって、申請できる事業者や経営体の条件は異なります。

制度によっては、認定農業者等であることや、所定の計画認定を受けていることが要件となる場合があります。

一方で、すべての農業関連補助事業で、認定農業者であることが必須というわけではありません。

例えば、認定農業者になるためには、将来の経営目標や改善内容などを記載した農業経営改善計画を作成し、市町村等から認定を受ける必要があります。

計画認定や各種手続きには一定の期間がかかる場合があるため、公募が始まってから準備するのでは間に合わないこともあります。

早い段階で、次の事項を確認します。

  • 申請者の法人形態や経営状況に関する条件

  • 認定農業者等の資格が必要か

  • 事前に認定を受けるべき計画があるか

  • 農地や事業実施地域に関する条件

  • 過去に同様の支援を受けている場合の制限

  • 他の補助制度や融資制度と併用できるか

  • 申請前に自治体などへ相談する必要があるか

 

制度名だけで対象と判断せず、最新の公募要領や申請窓口で個別に確認することが大切です。

●4.要件・着手時期・支払時期を確認する
 

補助事業では、申請書を提出すれば、すぐに設備を発注したり事業を開始したりできるとは限りません。

制度によっては、交付決定前に行った契約、発注、購入、着工などが補助対象外となる場合があります。

一方で、事前着手に関する手続きが定められている制度もあるため、事業ごとのルールを確認しなければなりません。

主に次の時期を整理します。

  • 公募の開始日と締切日

  • 申請に必要な書類の準備期間

  • 審査や採択結果の公表時期

  • 交付申請と交付決定の時期

  • 契約、発注、購入、着工が可能になる時期

  • 事業を完了しなければならない期限

  • 実績報告の提出期限

  • 補助額が確定する時期

  • 補助金が支払われる時期

 

補助事業では、交付決定後に事業を実施し、事業完了後の実績報告や補助額の確定を経て支払いが行われるものがあります。

その場合、設備代金や事業費を一時的に自社で支払う必要があります。

補助金が入金されるまでの自己資金、金融機関からの融資、つなぎ資金なども含めて資金繰りを計画することが重要です。

着手できる時期や支払い方法は制度によって異なるため、公募要領や交付要綱を個別に確認します。

●5.補助対象外の費用と導入後の費用も計画する
 

補助金を活用できても、事業にかかる費用のすべてが補助されるわけではありません。

自己負担分に加えて、対象外となる費用や、事業終了後に継続して発生する費用もあります。

例えば、次のような費用です。

  • 補助対象外となる設備や付属品

  • 消費税などの公租公課

  • 通信費やクラウドサービスの利用料

  • 保守、点検、修理費

  • 消耗品や交換部品の費用

  • 電気、燃料などの運用費

  • 操作研修や人材育成にかかる費用

  • データ入力や管理にかかる人件費

  • 将来の設備更新や廃棄にかかる費用

 

補助金によって導入時の自己負担を抑えられても、維持費や人件費を継続して負担できなければ、設備やシステムを使い続けることはできません。

採択時の負担額だけでなく、導入後数年間の総費用を見積もり、自社の収益や資金繰りで維持できるかを確認します。

●6.採択後の実施体制と報告方法を決める
 

補助金は、採択や交付決定を受けた時点で完了するものではありません。

採択後は、申請した事業計画に沿って事業を実施し、支出を証明する書類や、取り組みの成果を示す資料を管理する必要があります。

例えば、次のような対応が求められる場合があります。

  • 見積書、契約書、発注書の管理

  • 請求書、領収書、振込記録の保管

  • 導入した設備や事業実施状況の記録

  • 実績報告書の作成

  • 目標と実績の比較

  • 事業終了後の成果報告

  • 取得した財産の管理

  • 設備の処分や用途変更に関する手続き

 

担当者だけに管理を任せると、必要書類の不足や期限の見落としが発生する可能性があります。

事業計画の段階で、誰が事業を実行し、誰が支出や書類を管理し、誰が成果を確認するかを決めておくことが重要です。

●7.補助金がなくても必要な投資かを判断する
 

補助金を活用するかどうかを判断する際は、「採択される可能性があるか」だけでなく、「自社の事業計画に本当に必要な投資か」を確認します。

次のような問いを設定すると判断しやすくなります。

  • 補助金がなくても実施する価値があるか

  • 経営課題の解決に直接つながるか

  • 投資による効果を数値で確認できるか

  • 自己負担分を無理なく支払えるか

  • 採択されなかった場合の代替案があるか

  • 事業終了後も継続して運用できるか

  • 設備やシステムを使う人材を確保できるか

  • 維持費や更新費を将来も負担できるか

 

条件を満たさない場合には、導入規模を縮小する、レンタルや共同利用を検討する、実施時期を延期する、投資を見送るといった選択肢もあります。

補助金を使わないことや、申請を見送ることも、事業計画にもとづく経営判断の一つです。

●農業コンサルには制度と事業計画の整合性を相談する
 

農業コンサルを活用する場合は、単に申請書を作成してもらうのではなく、支援制度と事業計画の整合性を確認することが重要です。

例えば、次のような内容を相談します。

  • 活用可能性のある支援制度の情報整理

  • 制度の目的と事業計画が合っているか

  • 申請要件や対象経費を満たしているか

  • 事業スケジュールに無理がないか

  • 補助対象外の費用を負担できるか

  • 補助金が入金されるまでの資金を確保できるか

  • 導入後の運用体制や効果測定ができるか

  • 補助金を使わない別の方法と比較したか

 

農業コンサルへ相談する際は、制度の情報整理、事業計画との整合性確認、申請書作成、手続きの代行など、どこまでが支援範囲に含まれるかを事前に確認します。

専門資格が必要な手続きや、税務、融資などが関係する場合は、行政書士、税理士、金融機関などの専門家と連携して進めることも必要です。

補助金は、事業計画を実現するための選択肢の一つです。

制度から事業を考えるのではなく、自社が実現したい農業経営を先に定め、その実現に必要な投資と支援制度を結びつけることが、補助金を経営に活かす基本となります。

農業の事業計画策定ならスマートアグリコンサルタンツ合同会社へ
 

スマートアグリコンサルタンツ合同会社では、事業拡大、経営改善、設備投資、スマート農業の導入などを検討している農業法人・農業経営者に向けて、実行可能な事業計画の策定を支援しています。

事業計画は、金融機関や行政機関へ提出するためだけの書類ではありません。

「5年後、10年後にどのような農業経営を実現したいか」を明確にし、現在の経営状況との差を把握したうえで、販売、生産、人材、投資、資金などを具体的な行動へ落とし込むためのものです。

当社では、事業計画を作成すること自体を目的とせず、経営者や社内の担当者が、計画をもとに投資、改善、拡大、延期、見直しなどを判断できる状態を目指します。

●経営ビジョンから事業計画を組み立てます
 

設備やスマート農業技術の導入を先に決めても、目指す経営の姿が明確でなければ、必要な投資かどうかを判断できません。

当社では、最初に次のような内容を整理します。

  • 5年後、10年後にどのような経営を目指すのか

  • 規模拡大と収益性向上のどちらを優先するのか

  • 収量、品質、販売単価のどこを改善するのか

  • 誰に、どのような農産物を届けたいのか

  • 作業負担や人材不足をどのように改善するのか

  • 現在の経営で何を守り、何を変えるのか

  • 事業承継や技術継承をどのように進めるのか

 

経営ビジョンが明確になることで、数ある課題や投資候補の中から、自社が優先すべき取り組みを選びやすくなります。

●販売・生産・資金・人材を一体で整理します
 

農業の事業計画は、生産計画や設備導入計画だけでは成立しません。

農産物を作ることができても、必要な価格と数量で販売できなければ、持続可能な経営にはつながらないためです。

当社では、次の要素を個別に検討するのではなく、相互の関係を確認しながら一つの事業計画にまとめます。

  • 顧客、販路、販売価格、販売数量

  • 品目、作付け、生産量、出荷時期

  • 農地、施設、農業機械、資材

  • 作業時間、人員、役割分担

  • 品目別、販売先別、ほ場別の収益性

  • 初期投資、運転資金、借入金

  • 月別、複数年の資金繰り

  • 設備更新や追加投資の時期

  • 想定されるリスクと対応方針

 

「何をどれだけ作るか」からではなく、「誰に、何を、どの価格で、どの程度販売するか」を確認し、その条件から生産体制や投資内容を逆算します。

●現場と経営のデータから課題を見える化します
 

実効性のある事業計画を作るには、経営者の経験や感覚だけでなく、現在の経営状況をデータで把握することが重要です。

当社では、売上や決算書だけでなく、必要に応じて次のような情報を整理します。

  • 品目別、商品別、販売先別の売上と利益

  • 品目別、ほ場別の収量と品質

  • 作業別、ほ場別の作業時間

  • 人件費、資材費、光熱費、物流費

  • 規格外品や廃棄の発生状況

  • 農業機械、施設の利用状況と更新時期

  • 従業員の役割、スキル、技術継承の状況

  • 顧客や取引先からの評価

 

必要な情報が記録されていない場合は、最初から高額なシステムを導入するのではなく、経営判断に必要なデータを明確にし、現場の負担が少ない記録方法から始めます。

データを集めること自体を目的とせず、どの課題を改善し、次の経営判断へどう活用するかまで整理します。

●技術や設備は費用対効果を確認して選びます
 

ドローン、IoTセンサー、AI、ロボット、環境制御設備などのスマート農業技術は、経営課題を解決する有効な手段となる場合があります。

一方で、高機能な設備やシステムを導入すれば、必ず成果が出るわけではありません。

当社では、特定の農業機械やシステムを販売することを前提とせず、次の内容を確認します。

  • どの経営課題や現場課題を解決するのか

  • 導入によって、どの数値を改善するのか

  • 初期費用と維持費はいくらかかるのか

  • 何年間で投資を回収できるのか

  • 誰が操作し、誰がデータを確認するのか

  • 現場の入力や管理負担が増えないか

  • 既存の設備や業務と連携できるか

  • 導入後の効果をどのように検証するのか

 

費用対効果や運用体制が不明確な場合には、小規模実証、レンタル、共同利用、外部委託なども含めて比較します。

自社の規模や課題に合わない場合には、導入を延期する、規模を縮小する、導入しないという選択肢も含めて助言します。

●複数のシナリオから経営判断の基準を作ります
 

農業経営は、天候、生育、病害虫、市場価格、資材価格など、さまざまな外部要因の影響を受けます。

そのため、計画どおりに進むケースだけでなく、収量や販売価格が想定を下回った場合も検討します。

 

当社では、例えば次のような複数のシナリオを比較します。

  • 計画どおりに進んだ場合

  • 収量が想定を下回った場合

  • 販売価格が下落した場合

  • 肥料、燃料、電気代などが上昇した場合

  • 必要な人材を確保できなかった場合

  • 設備導入を延期した場合

  • 主要な販売先との取引が減少した場合

 

それぞれのケースで売上、利益、資金繰りを確認し、次のような判断基準を事前に設定します。

  • どの条件を満たせば投資を実行するか

  • どの数値を下回ったら計画を見直すか

  • どの段階で追加投資を行うか

  • どの品目や事業を縮小するか

  • どの条件で投資を延期するか

  • どの条件で事業から撤退するか

 

計画を変更することは失敗ではありません。

経営環境の変化を早期に把握し、計画を修正できる状態をつくることも、事業計画を策定する重要な目的です。

●補助金ありきではない投資計画を支援します
 

補助金は、事業計画を実現するための資金調達手段の一つです。

当社では、補助金を受けることから事業を考えるのではなく、まず自社の経営課題、必要な投資、期待する効果を整理します。

そのうえで、活用可能性のある支援制度の情報、公募要件、対象経費、スケジュールなどを確認し、事業計画に利用できる制度かを整理します。

補助金を活用する場合にも、次の内容を確認します。

  • 補助金がなくても必要な投資か

  • 自己負担分を支払えるか

  • 入金までのつなぎ資金を確保できるか

  • 補助対象外となる費用を負担できるか

  • 導入後の維持費や更新費を負担できるか

  • 事業終了後も継続して運用できるか

 

当社の支援範囲については、制度の情報整理、事業計画との整合性確認など、相談内容に応じて個別にご説明します。

申請書作成や行政手続き、税務などに専門的な対応が必要な場合は、行政書士や税理士等との連携を検討します。また、融資については、金融機関へ相談しながら資金調達や返済計画を整理します。

●計画の策定から実行・改善まで伴走します
 

事業計画は、作成して提出すれば終わりではありません。

実行後には、目標と実績の差を確認し、必要に応じて生産、販売、人員、投資などの計画を見直す必要があります。

当社では、計画の実行状況を確認するKPI、確認時期、責任者などを整理し、継続的に改善できる運営体制づくりを支援します。

例えば、次のような指標を確認します。

  • 売上、粗利益、営業利益

  • 反収、収量、品質

  • 販売単価、販売数量

  • 作業時間、人件費

  • 資材費、光熱費、物流費

  • 規格外品率、廃棄率

  • 納品遵守率

  • 顧客数、新規販路数

  • 設備の利用状況

  • 投資回収の進捗

  • 現預金と資金繰り

 

当社は、農業現場と企業経営、スマート農業技術の間に立つ「農業とITの翻訳者」として、計画と現場の間に生じるずれを整理します。

農業者、従業員、自治体、JA、金融機関、農機メーカー、IT事業者など、必要な関係者との連携も意識しながら、事業計画を実際の経営へつなげます。

「経営の現状を整理したい」「規模拡大や設備投資の判断基準を作りたい」「補助金ありきではない事業計画を作りたい」「作成した計画を現場で実行できる形にしたい」といった場合は、お気軽にご相談ください。



【Q&A】農業の事業計画策定に関するよくある質問
 

Q1.農業の事業計画には、どのような内容を記載すればよいですか?
A.経営理念や将来像だけでなく、顧客・販路、生産、人員、収支、資金繰り、投資、リスク、実行管理までを関連づけて記載します。
主に次の内容を整理します。
・5年後、10年後に目指す経営の姿
・現在の経営状況と優先して解決する課題
・顧客、販路、販売価格、販売数量
・品目、作付け、生産量、出荷時期
・必要な農地、施設、農業機械、資材
・人員配置、役割分担、技術継承
・売上、原価、経費、利益
・初期投資、借入金、運転資金
・月別、複数年の資金繰り
・想定されるリスクと対応方針
・KPI、実施時期、責任者
・計画を見直す条件と判断基準
農業の事業計画では、「何をどれだけ作るか」だけでなく、「誰に、何を、どの価格で、どの程度販売するか」を明確にすることが重要です。
販売計画から必要な生産量、農地、設備、人員を逆算することで、実行可能性の高い計画になります。

 

Q2.事業計画と補助金申請書は何が違いますか?
A.事業計画は自社の経営判断と実行管理のために作るものであり、補助金申請書は特定の支援制度の目的や要件に沿って作成する書類です。
事業計画では、補助金の有無にかかわらず、自社が将来どのような農業経営を目指し、そのために何を実行するかを整理します。
一方、補助金申請書では、制度の政策目的や公募要件に沿って、対象となる取り組み、必要経費、実施スケジュール、期待する成果などを説明します。
先に補助制度を探して対象設備を決めるのではなく、まず自社の経営課題、目標、必要な投資、期待する効果を事業計画として整理することが重要です。
そのうえで、計画の実現に活用できる制度があるか、公募要件や対象経費を確認します。
補助金を受けられる場合でも、自己負担分、対象外経費、導入後の維持費や更新費を継続して負担できるかを確認する必要があります。

 

Q3.天候や価格変動がある農業で、売上計画はどのように作ればよいですか?
A.一つの収量や販売価格だけを前提にせず、複数のシナリオを作成します。
まず、品目別・販売先別に、次の内容を整理します。
・栽培面積
・想定する収量
・販売可能な数量
・販売価格
・出荷時期
・品質や規格
・販売先との取引条件
・規格外品や廃棄の発生見込み
そのうえで、計画どおりに進む標準ケースに加え、次のようなケースも試算します。
・天候不順や病害虫で収量が減少した場合
・市場価格や販売価格が下落した場合
・規格外品が増加した場合
・肥料、燃料、電気代などが上昇した場合
・主要な販売先との取引が減少した場合
それぞれのケースで売上、利益、資金繰りがどのように変化するかを確認します。
あわせて、どの数値を下回ったら生産計画や投資計画を見直すか、別の販路を開拓するか、品目や規模を変更するかといった判断基準も決めておくことが重要です。

 

Q4.年間の損益計画があれば、月別の資金繰り表は必要ありませんか?
A.年間の損益計画が黒字であっても、途中で現金が不足する可能性があるため、月別の資金繰り表も必要です。
農業では、種苗、肥料、農薬、燃料、人件費などを先に支払い、栽培、収穫、販売を経てから代金が入金されます。
そのため、費用が発生する時期と、売上が現金として入る時期が一致しないことがあります。
月別の資金繰り表では、主に次の内容を確認します。
・月初の現預金残高
・販売代金などの入金予定
・資材費、人件費、光熱費などの支払予定
・設備投資の支払時期
・借入金の入金と返済時期
・税金や社会保険料などの支払い
・補助金が入金されるまでに必要な資金
・月末の現預金残高
特に設備投資や規模拡大を行う場合は、通常の生産活動に必要な運転資金を残せるかを確認しなければなりません。
資金が不足する時期を事前に把握することで、自己資金、融資、リース、投資時期の変更などを早めに検討できます。

 

Q5.事業計画の策定では、どの段階で農業コンサルへ相談すべきですか?
A.設備や補助制度を決める前の、経営課題や将来像を整理する段階から相談できます。
早い段階で第三者の視点を取り入れることで、目の前の設備や制度に影響されず、事業全体から必要な取り組みを検討しやすくなります。
農業コンサルは、例えば次のような場面で活用できます。
・5年後、10年後の経営ビジョンを整理したい
・経営上の課題や優先順位が明確になっていない
・品目別、販売先別、ほ場別の収益性を把握したい
・規模拡大や設備投資の費用対効果を確認したい
・顧客、販路、生産、人員、資金を一体で計画したい
・収量や販売価格が下がった場合の影響を試算したい
・KPIや計画を見直す判断基準を設定したい
・活用可能性のある支援制度と事業計画の整合性を確認したい
・作成した事業計画が実行されず、改善が進んでいない
農業コンサルへ計画や判断をすべて任せるのではなく、経営者や社内の担当者も策定過程に参加することが重要です。
検討の根拠、使用したデータ、判断基準を社内に蓄積することで、経営環境が変化した際にも、自社で計画を見直し、次の行動を判断できるようになります。


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社名
スマートアグリコンサルタンツ合同会社

所在地
〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目13-6サガミビル2階


事業概要

・農業分野における調査、研究、情報収集、分析及び情報提供並びにこれらに関する支援業務

・農業分野における営農計画、農業経営・営農上の課題整理、改善支援及び人材育成

・農業分野に関する情報の分析、加工、提供、販売及び出版

・農業分野に関するイベント、セミナー、研修、講演会等の企画及び運営並びに講師、
 専門家等の斡旋及び派遣

・インターネットその他の通信ネットワークを利用した農業分野に関する情報発信、

 情報交換及び情報提供サービスの企画及び運営

・農業経営及び営農上の課題解決に資するデジタル技術その他の各種技術に関する調査、評価、

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